2014年02月06日

携帯は今期大赤字、"生存者"富士通の苦悩



NEC <6701> 、パナソニック <6752> などの同業が次々と携帯電話事業から手を引く中、数少ない日本勢の“生存者”となっている富士通 <6702> 。しかし、先行きは決して予断を許さない。富士通も目下、携帯電話事業の巨額赤字に悩まされている。 「2013年度下期(2013年10月〜2014年3月期)には赤字解消を目指す」。昨年夏、富士通の加藤和彦CFO(最高財務責任者)はこう話していた。しかし、ふたを開けてみると、直近の2013年10月〜12月期の携帯電話事業は90億円の営業赤字に沈んだ。2014年1月以降も赤字は続いており、結局、通期での赤字総額は350億円超となる見通し。実に、3カ月ごとに100億円近い赤字が出る異常事態となっている。


■ ドコモの戦略とCPU切り替えが誤算

 目算が大きく狂った原因は2つある。想定を上回る販売不振と、修理部門のコスト増だ。富士通が1月末に修正した2013年度出荷台数想定は370万台。期初に予想していた前期比2割減をさらに下回り、約4割減に落ち込む見通しだ。

昨夏のツートップ戦略(サムスン電子とソニーのスマートフォンだけに販売奨励金を重点投入する施策)に続き、昨秋からはアイフォーンの取り扱い開始――。主取引先のNTTドコモ <9437> の優遇対象から外された影響は甚大だった。「完成品や部品在庫が予想以上に膨らみ、在庫評価損を落とさざるを得なかった」(加藤CFO)。 また昨年は、スマートフォン内部のCPU(中央処理装置)を富士通製からクアルコム製に切り替える端境期だったため、自社の修理工場には別メーカーのCPUが混在して持ち込まれてきた。これが修理を手間取らせ、メンテナンス負担を突発的に増加させた。
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 赤字拡大を受け、富士通は1月末に新たな携帯電話事業のリストラ策を発表。現在、富士通では携帯電話関連で4000人弱の従業員を抱えるが、このうち4割を他の事業部門などに配置転換する。

 東西2カ所にあった国内工場も4月1日をメドに一元化。東の栃木県大田原市の工場では携帯電話生産をやめ、西の兵庫県加東市の工場に集約する。残った加東市の工場では、3DCADや3Dプリンタなどの導入を進めて金型製造を自動化するなど、工場生産性の引き上げに注力する。

■ “2度目の正直”となるか

 もっとも、富士通全体の業績はアベノミクスの波に乗る。2013年4〜12月期(第3四半期)の売上高は7.4%増となる3.3兆円、本業の儲けを示す営業利益は370億円(前年同期は15億円の赤字)という好決算だった。

 リーマンショック後、IT投資を絞っていた日本企業がにわかに投資再開に向けて動いており、同社の中核事業であるITサービス事業が伸びている。システム構築受注残高は前年比で2ケタ増となっており、携帯電話の赤字が膨らんでも、3期連続の減収減益からは免れる公算が大きい。

 しかし、それが余裕を生んでいたとしたら問題だ。上記のリストラ策を発表した際、「2014年度以降はイーブン(収支均衡)に戻して、事業継続を図っていきたい」(加藤CFO)とした。これは今下期の赤字解消に一度失敗した富士通にとって、携帯電話の収益改善に関する2度目のコミットメントとなる。

 「何としても携帯電話は継続する」と、富士通役員は口をそろえて言うが、この2度目の目標が達成できなければ、社内外から撤退論が高まる可能性がある。


出典:東洋経済オンライン 西澤佑介



posted by 時事 at 19:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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